俺も行ったぜ直江津

午前3時出発の午後22時半307kmを走り、闇の中に日本海を見た。

3:00(0km)輪行袋やライト、フロントバッグなどでいつもより数キロ重い車体だが走り出すと軽い。市内は街灯が多いので一つで十分。ちょうどいい涼しさでもある。

最初はよく走る道を進み、所沢から入間市を目指す。夜のせいか曲がる箇所に不安を覚えながらも4:20(25km)入間市豊水橋に到着。
ここからは熊谷を目指すが通ったことの無い道。街灯も減り二連装ライトが威力を発揮する。一つは手前、もう一つは視線の辺りを照らすことによってかなり安心して走れた。坂戸、東松山を通ったところで空が明るくなってきた。


6:00(60km)荒川大橋に到着。ここまでどうもお腹の調子が悪く何度かコンビニへ寄る。
熊谷、深谷、本庄、藤岡を通り高崎を目指す。この辺からサイコンの距離を気にしだす。走っているつもりが意外と進んでいない。案内板の10kmとかが長く感じる。烏川沿いを走り高崎に到着。8:30(105km)。

ここから進路を西にとりR18をひたすら進むことになる。さらに少しずつ上り基調になっている。徐々に脚に堪え始めた。安中、横川に到着。

途中、妙義山を眺める。立ち止まって見れるのも自転車のいい所。

10:00(130km)。待ちに待った朝昼食。この後の碓氷峠に向けてしっかり休む。
40分程休み、いよいよ最初の関門。プロフィール的に15kmで500mの3%なので楽だが多少不安。
旧道に入ると昔ながらの民家が現れるが、どの家にも「〜〜や」と書かれた札が表札とは別にある。

少しして峠道に入るが、すぐに碓氷湖が現れる。

そしてその後、めがね橋。

今日は本当にラッキーだった。曇りで日差しが少ない。もし高崎までこの日差しにやられてしまっていたらこの旅は達成できなかったかもしれない。碓氷峠も勾配は3〜5%がずっと続く程度で非常に楽だった。たぶん今まで走った中で一番快適に上れる峠だったように思える。

とは言ってもそれほど早くなく、頂上に到着。12:10(147km)

ここから軽井沢、中軽井沢を通るがまだアップダウンが続く。そしていよいよ、上田へ向けて下りが始まる。快適な下りを想像していたがわりと漕いだ。

14:30(190km)少しだけ見て、回転寿司で大休憩。

15:30長野へ向けて出発。

17:10(225km)千曲川を渡り、長野へ到着。

信州大学の辺りはシャレている。

そろそろ暗くなってきた。そして最後の上り区間へ向かう。
再びR18に戻り、牟礼を目指す。野沢温泉との分岐を境に通行量が減り登り始める。もう真っ暗である。街灯も期待できない。幸いにも道幅は十分あるので安心して登れるが車のライトが恋しくなる。地図上で確認していた頂上に着いたと思ったが、まだしつこくアップダウンを繰り返す。そしていつしか下りが始まる。途中で寄ったコンビニを境に路面が濡れている。そして気温も体感温度もぐっと下がりもはや夏の格好では無理。万が一を考えて冬用のベストを持ってきていたが、それでも腕が寒い。レインウェアを着て、ベンチレーションを空けるがそれも寒いので完全防寒で下り開始。ひたすら下る。もう漕がなくていい。ただ、暗闇の中10m程度先を照らしただけでは判断が遅れる速度。追い越していく車のライトで先を確認して下るような格好でいつのまにか野尻湖まで来ていた。


20:00(265km)野尻湖は真っ暗。R18に戻ってナウマン像を発見。

そして、いよいよ直江津市街へ向けて平坦路を走る。長い。非常に長い30kmだった。
今夜泊まるホテルを探しながら海へぶつかるまで真っ直ぐ、真っ直ぐ進んだ。
でも、真っ暗だった。ザザー、ザザーという波音だけが心に染み渡る。

ここまで眠気にも襲われず、危ない目には何回かあったが無事到着。
俺もやった!まだまだ、一杯一杯だがなんとかできた。
心の壁は一つ開かれた。力の壁に一つぶち当たった、といったところだが得られるものは大きかった。

走行距離 307km
外出時間 3:00〜22:30